REDLINE [アニメ]

人間の描く線は正確ではない。現実を写しても、歪にゆがむ。
現実に存在しないものであれば、尚更である。
だが、その差分こそが、人間を人間たらしめる想像力、魂と呼ばれるものではなかったか。

作画枚数10万枚という無謀。
デジタル全盛の時代、敢えて手書きの意地。
リーゼントが象徴する、ストレート過ぎたロマンチシズム。
理屈ではない。
全身を震わせる音楽と、魂込められた線がうねる画面の完全なシンクロは、
「快感」の一言に尽きる。

記号としての絵を動かし、複雑なプロットと設定の大伽藍を築く作品が氾濫する中、
アニメというのは、「絵」を動かし、見るものの魂に触れる表現手法なのだと思い出させてくれる。
筋立てを説明しても意味がない。
鑑賞ではなく、体感するという方が相応しい。

テレビシリーズでは絶対に不可能な、七年という制作期間。
この無謀で贅沢な試みは、大画面と大音響でこそ真価を発揮する。
可能であれば、DVDの発売を待たず、劇場で体験することをお勧めする。
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